Home Assistantの設定画面やメールで、「Home Assistant Cloud」が「Home Assistant Link」という名前に変わるという案内を見かけて、「料金が変わるの?」「何か設定し直さないといけないの?」と不安になった方も多いのではないでしょうか。
外出先からのアクセスやAlexa・Google Homeとの連携をこのサービスに任せていると、急な名前の変更は気になりますよね。
この記事では、2026年10月2日に公式ブログで発表されたHome Assistant CloudからHome Assistant Linkへの改名について、既存ユーザーへの影響とやるべきことを整理します。あわせて、10月7日に公開されたHome Assistant 2026.10正式版で注意したい変更点もまとめて解説します。
結論:既存ユーザーは何もしなくてOK
先に結論をお伝えすると、今回の改名は「サービス内容は同じで、名前だけが変わる」ものです。公式のリリースノートでも「Same service, new name(同じサービス、新しい名前)」と説明されています。
✔ 再契約や移行の手続き:不要(契約中のサブスクリプションはそのまま続きます)
✔ 料金:変更のアナウンスなし(月額6.50ドル/年額65ドル。31日間の無料トライアルもカード登録なしで継続)
✔ 正式に名前が変わる日:2026年12月2日(2026.12リリースのタイミング)
ただし、名前が切り替わる12月までは、公式サイトでは「Link」、Home Assistantの画面では「Cloud」と、表記が混在する期間が続きます。同じものを指していると覚えておけば混乱しません。
Home Assistant Link(旧Cloud)とは?
Home Assistant Link(旧Home Assistant Cloud)は、Home Assistantの開発を支えるNabu Casa(ナブカーサ)社が提供する任意の有料サブスクリプションです。Home Assistant本体は無料で自宅のミニPCやラズベリーパイ上で動きますが、Linkを契約すると次のような機能が手軽に使えるようになります。
| 機能 | できること |
| リモートアクセス | 外出先からスマホアプリで自宅のHome Assistantを操作(ルーターのポート開放が不要) |
| Alexa・Google Home連携 | 難しい設定なしで、音声アシスタントからHome Assistantの機器を操作 |
| 音声処理(STT/TTS) | 音声のテキスト化・読み上げをオンラインで高速に処理 |
| オフサイトバックアップ | 自宅の外にバックアップを暗号化して保存 |
| メディアストリーミング | カメラ映像や音声のストリーミングを改善 |
| サポート | Link機能に関する問い合わせに人間のスタッフが対応 |
特に日本では、IPv6(MAP-E方式)の光回線でポート開放が難しい家庭が多いため、ポート開放なしで外出先から使えるリモートアクセスがLinkの大きなメリットになります。外部アクセスの方法を比較したい方は、IPv6(MAP-E)でIoT機器が不安定になる原因と対策もあわせてご覧ください。
なぜ「Cloud」から「Link」に名前を変えるの?
公式ブログ「Big Tech ruined the cloud, so we’re renaming ours(大手テック企業がクラウドを台無しにしたので、私たちは名前を変える)」では、主に次の3つの理由が挙げられています。
理由①「クラウド」という言葉のイメージが悪くなった
値上げが続くサブスクリプション、大規模な障害、ユーザーデータの収集など、「クラウド」という言葉にネガティブな印象がついてしまったことが一番の理由です。Nabu Casaは「プライベートで、任意で、囲い込みのないサービス」を目指しており、その姿勢と名前が合わなくなっていたと説明しています。
理由②「クラウド必須の製品は買うな」と矛盾していた
Home Assistantの創設者は「クラウドがないと動かない製品は買わないで」と呼びかけてきました。それなのに自社サービスの名前が「Cloud」だったため、毎回「これは違うクラウドです」と説明する必要があったそうです。
理由③「Home Assistantをクラウドで動かすサービス」と誤解されていた
新しく始めたユーザーの中には、Home Assistant Cloudを「Home Assistant自体をクラウド上で動かすサービス」だと勘違いする人がいました。実際にはHome Assistantはあくまで自宅(ローカル)で動かすもので、Linkは外とつなぐための「橋渡し役」です。この役割を正確に表すために「Link」という名前が選ばれました。
既存ユーザーへの影響と注意点
Linkを解約してもスマートホームは止まらない
公式は、Linkを使わなくてもHome Assistantは利用でき、解約してもスマートホームは動き続けると明言しています。家の中の自動化(照明の点灯やセンサー連動など)はローカルで処理されるため、Linkが止まって使えなくなるのは外出先からのアクセスや音声アシスタント連携など、外部とつなぐ部分だけです。
データは暗号化され、Nabu Casaも中身を見られない
Link経由の通信は暗号化されており、鍵はユーザーだけが持つ仕組みです。Nabu Casaは「ユーザーのデータは欲しくないし、見る機会も作らない」としています。サブスクリプションの利益の大半は、Home Assistantの開発を支えるOpen Home Foundation(非営利団体)の資金になります。
12月の2026.12で表記や設定画面が変わる可能性
正式な改名は12月2日の2026.12リリースで行われる予定です。設定画面の表示名などは変わる見込みですが、リモートアクセス用URL(ui.nabu.casa)や連携の設定がどう扱われるかは、10月7日時点では発表されていません。自動化やダッシュボードでCloud関連のエンティティを使っている方は、12月のアップデート前にリリースノートの「互換性のない変更」を確認しておくと安心です。
サーバーがより速く・近くなった
名前の変更とは別に、Nabu Casaはすべてのサーバーを専用のハードウェア(ベアメタル)へ移行し、世界各地のサーバーを増強しました。2026.10からは起動時に複数のサーバーへ応答速度を確認し、最も速い接続を自動で選ぶ機能も加わっています。日本から使う場合も、リモートアクセスの体感速度の改善が期待できます。
2026.10正式版で注意したい変更点
改名の話題と同じタイミングで、10月7日にHome Assistant 2026.10が正式リリースされました。ベータ版で紹介した新機能(Home Assistant 2026.10ベータの新機能まとめ)に加えて、アップデート前に確認しておきたい変更点を整理します。
ユーザー名が「小文字・前後の空白なし」に統一される
認証まわりの古いモード(レガシーモード)が廃止され、ユーザー名は自動的に小文字・前後の空白なしの形に統一されるようになりました。大文字を含むユーザー名を使っていて、Home Assistantの「修復」画面に通知が出ている場合は、案内に従ってユーザー名を小文字に直してからアップデートしましょう。
一部の操作が管理者アカウント限定に
MQTTのmqtt.publish・mqtt.dump、Synology DSM(NAS)の再起動・シャットダウンの操作は、管理者アカウントでしか実行できなくなりました。家族用の一般ユーザーでこれらを使う自動化やボタンを作っている場合は、動かなくなるので注意してください。
そのほかの主な変更
| 対象 | 変更内容 |
| UniFi Network | 同じサイトを再追加しても設定は変わらない。変更は「再構成」から行う |
| Google Wifi | 稼働時間(uptime)センサーが非推奨になり、「最終再起動」センサーに置き換え |
| 状態の条件(State condition) | 「for(継続時間)」と属性・複数状態などの組み合わせが検証エラーに |
| Proxmox VE | 稼働時間センサーが秒数ではなく起動時刻の表示に変更 |
新機能もチェック
2026.10では、OpenStreetMapのベクター地図を使った地図表示の刷新(ダークモード対応・人物ごとのアイコン表示)、ユーザーごとに名前や写真を変えられるプロフィールページ、トリガーIDを番号で選べる「Triggered by」条件、AIとつなぐMCPサーバーをワンクリックで有効化できるカード、ホームダッシュボードでのセキュリティアラート表示などが追加されています。
まとめ
Home Assistant CloudからHome Assistant Linkへの改名は、サービス内容・料金・契約はそのままの「名前だけの変更」です。既存ユーザーが今すぐやるべきことはありません。
一方で、10月7日公開の2026.10正式版では、ユーザー名の小文字統一や一部操作の管理者限定化など、自動化に影響する変更が含まれています。アップデート前には必ずバックアップを取り、「修復」画面に通知が出ていないか確認してから進めましょう。
12月2日の2026.12で正式に名前が切り替わる際は、リモートアクセスURLや連携設定の扱いも含めて、まるラボで改めて最新情報をお伝えします。
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よくある質問
Home Assistant CloudがLinkに改名されたら、契約し直す必要はありますか?
必要ありません。サービス内容は同じで名前だけが変わるため、契約中のサブスクリプションはそのまま継続されます。
Home Assistant Linkの料金は値上げされますか?
2026年10月時点で料金変更の発表はありません。月額6.50ドル、年額65ドルで、31日間の無料トライアルもカード登録なしで利用できます。
名前が正式に切り替わるのはいつですか?
2026年12月2日の2026.12リリースで正式に切り替わる予定です。それまでは公式サイトでは「Link」、Home Assistantの画面では「Cloud」と表記が混在します。
2026.10にアップデートする前に確認しておくことはありますか?
ユーザー名が小文字・前後の空白なしに統一されるため、「修復」画面に通知が出ていないか確認してください。MQTTやSynology DSMの一部操作が管理者限定になった点にも注意し、アップデート前にバックアップを取っておくと安心です。


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