ニュースで「Wi-Fiルーターに脆弱性」と聞くたびに、うちのルーターは大丈夫だろうかと不安になりませんか。型番を調べようにも本体のどこを見ればいいのか分からず、結局そのままになっている方は少なくありません。
実は2026年に入ってから、バッファロー・エレコム・NEC Atermといった国内で広く使われているメーカーのWi-Fiルーターで、立て続けに脆弱性が公表されています。中には「認証なしで任意のコマンドを実行される」という、深刻度が最高クラスのものも含まれています。
この記事では、2026年に公表された主な脆弱性を整理したうえで、自分のルーターが対象かどうかを確認する手順と、ファームウェアの更新方法をわかりやすく解説します。5分あれば最初の確認までは終わります。
お急ぎの方は、当てはまるものから読んでください。
✔ 何から手をつけていいか分からない → まず確認してほしいこと
✔ うちのメーカーは対象なのか知りたい → 2026年に公表された主な脆弱性
✔ 型番の調べ方が分からない → 対処法①型番を調べる
✔ 更新したいがやり方が分からない → 対処法③ファームウェアを更新する
✔ 何年も前に買ったルーターを使っている → 対処法⑤サポート終了なら買い替える
まず確認してほしいこと
難しい話の前に、1つだけ先に済ませてしまいましょう。ルーターの設定画面を開き、ファームウェアの自動更新がオンになっているかを確認してください。
近年のモデルはほとんどが自動更新に対応していて、オンにしておけばメーカーが修正版を出した時点で適用されます。逆に、ここがオフのまま何年も経っている場合、この記事で紹介する脆弱性がそのまま残っている可能性が高くなります。
設定画面の開き方は、スマホやパソコンのブラウザで「192.168.11.1」「192.168.1.1」などのアドレスを入力するか、メーカー公式アプリから入るのが一般的です。アドレスは本体裏のラベルに記載されています。
2026年に公表された主なWi-Fiルーターの脆弱性
バッファロー(2026年3月27日公表・JVN#83788689)
Wi-Fiルーター・中継機・アクセスポイントなど広範囲が対象です。任意のOSコマンド実行、設定の不正変更、デバッグ機能へのアクセスなど6件の脆弱性が報告されました。WCR-1166DHPL、WSR3600BE4P、WXRシリーズ、WZRシリーズ、中継機のWEM-1266などが含まれます。
エレコム(2026年2月3日・5月12日・7月28日公表)
2026年だけで3回、無線LANルーターとアクセスポイントの脆弱性が公表されています。5月公表分のWRC-BE72XSD-BやWRC-W702-Bなどでは、認証なしで任意のOSコマンドを実行されるという深刻度9.3(CVSS v4.0)の問題も含まれていました。7月公表分では家庭向けのWRC-X3000GS3-B、WRC-X3000GS3A-Bが対象です。
NEC Aterm(2026年4月3日・5月25日公表)
4月公表分(NV26-001)は「影響を受けるモデルは広範囲に及ぶ」とされ、任意のOSコマンド実行や、telnetサービスを有効化される隠し機能などが報告されました。5月公表分ではMR51FN、CM51FDが対象です。
ASUS(2026年1月23日公表・JVN#67560152)
AiCloud機能を持つルーターで、管理者権限で任意のコマンドが実行される脆弱性が報告されました。特定の型番ではなくファームウェアのシリーズ単位で対象が示されているため、公式のセキュリティアドバイザリで確認する必要があります。
なお、ルーター以外のネットワーク機器も無関係ではありません。2026年6月5日には、TP-LinkのスマートプラグTapo P300やスマート電球Tapo L535E、カメラ同梱チャイムのTapo D100Cで、初期設定時の通信が暗号化されていない問題が公表されています。スマートホーム機器全般の守り方はスマートホーム機器の乗っ取り対策でまとめています。
対処法①自分のルーターの型番を調べる
すべての出発点は型番の確認です。ルーター本体を裏返すか側面を見ると、白いラベルが貼られています。そこに「WSR-3600BE4P」「WRC-X1800GS-B」のような英数字の並びがあり、これが型番です。
ラベルが色あせて読めない場合は、設定画面のトップに表示される機器情報から確認できます。このとき、ファームウェアのバージョン番号も一緒にメモしておいてください。対象かどうかの判定にバージョンが必要になります。
ひかり回線の契約時にレンタルした機器を使っている場合は、型番の先頭が「PR-」「RX-」「RS-」などになっていることがあります。これはルーターではなくホームゲートウェイで、更新は回線事業者側が行うため、この記事の対象外です。
対処法②対象機種かどうかを確認する
型番が分かったら、メーカーのセキュリティ情報ページで検索します。バッファローは「一部ネットワーク商品における複数の脆弱性とその対処方法」、エレコムは公式サイトのセキュリティお知らせ一覧に、対象機種と修正版バージョンが一覧で掲載されています。
もう1つ確実なのが、JVN(Japan Vulnerability Notes)で型番を検索する方法です。JPCERT/CCとIPAが運営する公的なサイトで、影響を受けるバージョンが正確に記載されています。「jvn.jp」にアクセスし、型番をそのまま検索してください。
ここで注意したいのが、対象一覧に載っていなくても安心とは限らない点です。NEC Atermの4月公表分のように、JVN側に「広範囲に及ぶ」としか書かれず、詳細はメーカー側にしかないケースがあります。メーカーのページも必ず合わせて見てください。
対処法③ファームウェアを最新版に更新する
対象だと分かったら更新します。手順はメーカーを問わずおおむね共通です。
1. ブラウザまたは公式アプリでルーターの設定画面にログインします。
2. 「管理」「システム設定」などのメニューからファームウェア更新の項目を開きます。
3. オンラインで最新版を確認するボタンを押し、表示された最新バージョンを適用します。
4. 更新中は絶対に電源を抜かないでください。数分間インターネットが切れますが、そのまま待ちます。
5. 再起動後、バージョン番号が上がっているか確認します。ここまでやって初めて対策完了です。
更新後にスマート家電が繋がらなくなった場合は、設定がリセットされている可能性があります。その際はルーター買い替え後にスマート家電が繋がらない原因と対処法の手順が使えます。
対処法④管理画面のパスワードとリモート管理を見直す
今回の脆弱性の多くは「ログインできる攻撃者によって」という条件付きです。裏を返せば、管理画面のパスワードが初期設定のままだと危険度が跳ね上がるということです。エレコムの一部機種では、製品の情報から初期パスワードを特定できてしまう問題も報告されています。
ファームウェアを更新したら、続けて管理画面のパスワードを推測されにくいものに変更してください。Wi-Fiの接続パスワードとは別物なので、両方とも見直しておくと安心です。
あわせて、外出先から設定画面を開く「リモート管理」機能をオフにしておきましょう。使っていないのに有効になっていると、インターネット側から管理画面に到達できてしまいます。海外製ルーターで出荷時からバックドアが仕込まれていた事例はZbtlink製ルーターのバックドアで解説しています。
対処法⑤サポートが終了した機種は買い替える
ここが一番お伝えしたいところです。サポート期間が終了した機種には、そもそも修正版ファームウェアが提供されません。
バッファローは3月公表分について、サポート中のモデルには修正版を提供する一方、WZR-600DHP、WZR-600DHP2、WZR-600DHP3、WZR-900DHP、WZR-900DHP2、WZR-S600DHP、WZR-S900DHPの7機種は修正対応をしない方針を明らかにしています。これらを使っている場合、設定をどう変えても脆弱性は残り続けます。
エレコムも、サポートが終了したアクセスポイントについては「製品の使用を停止してください」と案内しています。NETGEARに至っては、サポート終了製品は影響評価の調査自体を行わないとしています。つまり、古い機種は「脆弱性が無い」のではなく「調べられてもいない」状態です。
目安として購入から5〜7年を超えているなら、買い替えを検討するタイミングです。判断の基準はWi-Fiルーターの買い替え時期とセキュリティリスクの見分け方で詳しくまとめています。
まとめ
2026年はバッファロー・エレコム・NEC Aterm・ASUSと、主要メーカーで次々にWi-Fiルーターの脆弱性が公表された年でした。やることはシンプルで、型番を調べる、対象か確認する、ファームウェアを更新する、パスワードとリモート管理を見直すの4ステップです。
そして、サポートが終了した機種だけはこの4ステップでは守れません。修正版が出ない以上、買い替えが唯一の対策になります。自動更新をオンにしておけば次回からは手間が減りますので、この機会に一度だけ設定画面を開いてみてください。
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よくある質問
自分のWi-Fiルーターが脆弱性の対象かどうかは、どうやって調べればいいですか?
本体裏のラベルか設定画面で型番とファームウェアのバージョンを確認し、メーカーのセキュリティ情報ページとJVN(jvn.jp)の両方で型番を検索してください。NEC Atermのように、JVN側には「広範囲に及ぶ」としか書かれずメーカー側にしか詳細がないケースがあるため、両方見るのが確実です。
ファームウェアを更新すれば、それだけで対策は完了ですか?
更新は必須ですが、それだけでは不十分です。2026年に公表された脆弱性の多くは「ログインできる攻撃者によって」という条件付きのため、管理画面のパスワードを初期設定から変更し、使っていないリモート管理機能をオフにするところまで行ってください。
サポートが終了したルーターは、設定を見直せば使い続けられますか?
設定では防げません。バッファローはWZR-600DHPなど7機種について修正版ファームウェアを提供しない方針を明らかにしており、修正版が出ない以上、脆弱性は残り続けます。購入から5〜7年を超えている場合は買い替えが唯一の対策になります。
光回線のレンタル機器も自分で更新が必要ですか?
型番の先頭が「PR-」「RX-」「RS-」などの機器はホームゲートウェイで、ファームウェアの更新は回線事業者側が自動で行います。利用者が操作する必要はありません。市販のWi-Fiルーターを別途つないでいる場合は、そちらが対象になります。

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